読書の夏・リスト外

法医学教室の午後

西丸 與一さんが法医学の教室に在籍していた頃の話を書いている本です。文庫版の出版が1985年(23年前)なので、社会の仕組みや考え方にかなり違いを感じて、そちらにもびっくりしながら読んでいました。

法医学というのは死んだ人相手の医学、いわゆる解剖がメインの学問です。医師が確認できない状況で死んだ場合、たとえ病死であっても解剖をしないとダメだと聞いた事があります(変死扱いになるので。間違っていたらごめんなさい)。事件性がある場合は必ずなんでしょうが、死亡原因に不審な点がある場合も解剖をお願いできるそうです。

解剖をすることで事件の発見につながったり、事件解決につながったという内容もあり、大事なことなんだなとあらためて感じましたが、監察医の数が少ないということも同時に聞いているので、事件解決のためにもがんばってほしいなと思います。

いろんな話が載っていますが、戸籍がない女性の話(そのことが原因で自殺)やトラックを運転している人が何かにぶつかったような気がして確認してみたら、人の腕が落ちていたという話が印象的でした。腕の持ち主は飲酒運転をしていて、レバーの操作をしようとした時に右手がないことに気がついたという、びっくりするような話でした。かなり酔っ払っていたことで痛みにも鈍感になっていた上に、判断力も落ちていたようです。トラックドライバーと病院の看護師をも驚かせたと書いてありましたが、同じような経験(トラックドライバー側)をしたら、車の運転はしたくなくなりそうです。

ドクター西丸 航海記

西丸 與一さんが客船 ぱしふぃっく びいなすに乗り、104日間世界一周の旅に船医として勤務した時の内容です。以前、西丸さんの本で1泊3万円ぐらいという記述がありましたが、そこから単純計算すると104日間という約300万円。部屋なんかにも差があると思われるので、それを足すといくらになるのか、超リッチな旅としか言えないですよね。

特に船旅の場合、どこの港でも自由に観光できるというわけでもなく、決まった時間内で見てこなきゃいけないなどの制約がすごく気になるんですが、高齢な方の場合は移動時間にせわしなく時間を使わなきゃという方がつらいのかもしれませんね。

約3ヶ月の旅になるので、体調を崩す方も多いようで、下船、帰国をした方で亡くなられた方もいたというのはちょっとびっくりでした。かなり体の状態が悪かったようなので、そういうこともあるのかなと思いましたが、それでも行きたくなるような船旅なのかなとちょっと思ったんですが、好き好きですよね。

ドクター・トド 船に乗る

クルーズ船の船医をしている西丸 與一(ニシマル ヨイチ)さんが3つの航路を選び、その間にあったことや泊まった港の観光スポットなどを西丸さんの視点で紹介しています。船旅の上に長期間という日程の場合、どうしても年齢層が高くなり、医者のお世話になることも多くなるようです。喘息の重篤な発作が出ているのに、カジノに行くことを最後まであきらめきれなかった方や流産してしまったクルーなど、びっくりするような話もありました。

私自身は船でのんびりとという旅は今のところ好きになれないですし、一日3万円の旅費をかけてのクルーズ船での旅行には縁ができるような経済状態ではないので、読んでいて行ってみたいとは思いませんが、船旅ならではのハプニングや船医としての仕事があり、おもしろかったです。

西丸さんは元監察医ということで、テレビドラマの原作も担当されているようなことが書かれていました。著者の紹介の所に「法医学教室の午後」「法医学あら・かると」などといった本が紹介されていたので、ぜひ読んでみようと思います。

南極に暮らす 日本女性初の越冬記

坂野井 和代、東野 陽子という方、2名の共著という形です。南極にある昭和基地で、女性としては初めてお二人が越したということを、この本を通して初めて知りました。過酷な環境であることは間違いないので、大変だったろうなと思うんですが、本の中では昭和基地の中での楽しい思い出も多く、大変さの中の楽しさを感じられるものでした。

はじめにで東野さんが書いていることが、女性として初めての越冬隊員である視点からではなく、越冬隊員の一員として感じたこと、経験したこととしてなら書こうと思ったとありました。逆に女性だったから大変だったという話は読んでいてもつまらないと思うので、東野さんのような気持ちで書いてもらったからこそ、読んでいておもしろかったんだと思います。

過酷な自然環境の中でも一年を通していれば、季節を感じる瞬間があるというのは読んでいて興味深かったです。年中、氷に覆われているのかなと思っていたので。

ヴェサリウスの柩

第16回鮎川哲也賞受賞作で、麻見和史さんが書いています。舞台は大学の解剖学研究室で、医学生が献体を解剖中にチューブを発見するところから始まります。チューブの中にはメッセージが残されていて、メッセージの宛名は解剖学研究室の園部教授。園部教授に関係が深い人が死亡し、謎が謎を呼んでいきます。

探偵役がはっきりしないので、最後の謎がわかる過程が読みにくい感じをうけたんですが、壮大な計画を考え出した黒幕の精神状態にざわっとしました。考えていることが理解を超えているために実行犯が操り人形のようで、切なく感じてしまいました。

裁判官の爆笑お言葉集

じゅんじゅんさんのリストの中から、私も読ませていただきました。裁判官の判決が人の一生を左右することを考えると、どんなことを言っているのかは興味がありますよね。裁判員制度も始まることですし。

裁判官も人間なんだよなーと感じる内容も多く、おもしろかったです。遺族の方や被害者の気持ちを酌んだ内容も多く、考えさせられることもしばしばでした。オウム真理教での裁判で「宗教に逃げ込むことなく、謝罪の日々を送るようにしてください」とオウム真理教の元ナンバー4、井上被告に対して言った言葉なんかはその通りだよと思ってしまいました。

爆笑 沖縄移住計画

沖縄フシギ評論家 中村清司さんの本で、夏目書房さんから出版されています。北海道に住んでいると、南国の生活ってすごく気になるんですよね。図書館で見つけて面白そうだったので読んでみたんですが、当たりでした。

本の中に出てきたフーチャンプルーは私も大好きで、思わず読みながらうなずいていました。ゴーヤチャンプルーの方が有名なんですが、ゴーヤの苦味がそれほど好きではないので、フーチャンプルーの方がお気に入りです。使っている麩は沖縄独特の車麩で、もやしとコーンビーフ?が入っています。札幌だとかごめ料理店という沖縄料理屋さんがお勧めです(他にも美味しいお店があるのかもしれませんが、そこしか知らないので)。

沖縄には旅行で行ったことがあるんですが、旅行ではわからない話も多く、北海道の生活とはまったく違うのに驚かされました。気になるのは虫が多いという点。北海道ではゴキブリも出ないし、梅雨がないので湿気も少なめ。そういうところに住んでいる身からすると、沖縄は虫天国みたいですね。湿気も少ないので、暑くなってもじめっとした感じにはならないで、爽やかですし。

季節感を何で感じるかというのも北海道でははっきりと寒くなったり、暑くなったりというのが基本なんですが、沖縄は寒いの基準が違いますよね。旅行に行ったのが1月だったんですが、、沖縄の気温は私たちの感覚で言うと5月。北海道で5月と言うと肌寒い日もあるためパーカーとかをはおることがある程度。でも案内をしてくれたバスガイドさんは毛皮のコートを着ていて、さすがにびっくりしました。ガイドさんは寒いですと言っていましたが、私たちにとっては充分、暖かい気温だったので感覚が違うんだなと思いました。人間、郷に入れば郷に従っていくものですよね。

正反対の風土だからこそ興味も出るし、フシギさも増すような気がします。リスト外なんですがおもしろかったので、載せてみました。北海道が大好きなので離れる気はありませんが、旅行には行きたくなりました。猫が許してくれればですがcoldsweats01

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